今日は 教師としてではなく
おまえ達の人生の先輩として
言っておく
おまえ達は もっと
鏡を見なければいけない
そうすれば きっと
自分達の顔が めっちゃ汚いということに
気付くはずだ
そんなことで自殺をしてはいけない
おまえ達の前途は
挫折 落胆 幻滅・・
ありとあらゆる苦悩と煩悶に満ち満ちている
虹の下に 暗澹たる前途が
途絶えることがないトンネルとなって 待ち受けているのだ
今 死んで 何の花実が咲くというのだ
この少子高齢化社会にとって
おまえ達は 日本経済高度成長期における 金の卵以上の宝なのだ
嘗てバブル時に3kといって嫌われた仕事
汚い きつい 危険な仕事
それこそが おまえ達の使命だ
高学歴が日本経済を支えてきたのではない
高学力と労を惜しまぬその努力が支えてきたのだ
高学力の俺達は もうすぐ老人の域に入る
俺達を支える為に おまえ達は 働かなければならないのだ
そのために俺達教師は 家畜を飼うように大切に おまえ達を教育してきたのだ
俺は自らの身を呈して 英語と数学の時間はすべて体育の時間に充てた
鶏を放し飼いするように 体育の時間だけは おまえ達が満足できるほど与えてきた
おまえ達も 体力だけには自身があるはずだ あとは精神力だけだ
それさえあれば 充分に3kに耐え得るはずだ
小学校で習う分数の計算も出来ない おまえ達が
なんで 進学なんだ
ふざけるんじゃねえ
おまえ達に相応しい 3kがあるじゃないか
何故 おまえ達は 自分から逃げようとするのか
なんで もっと 鏡をよく見ないのか
まだ 意味が解らないのか
鏡は鼻毛を切るだけのためにあるものではない
ニキビを潰すためにだけあるわけでもない
世間は広いし 反面 人生には限りがある
何故 あんな狭いキャンパスで つまらない時間を過ごすのか
3kはおまえ達の顔ほど汚くはない
3kはおまえ達の顔ほどきつくはない
3kはおまえ達の顔ほど危険ではない
3kがおまえ達を嫌うなら意味がわかる
おまえ達に3kを嫌う権利はないのだ
先ず 俺が その3kの手本を見せてやるから
いいな おまえ達も 俺に ついてこいよ
今年いっぱいで 俺は
懲戒免職
この高校をやめることになったんだ
その前に おまえ達全員を 退学処分になるよう 指導してやることにした
だから
わかったな 必ず 俺に ついてくるんだぞ
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中 村 在 留 真 (なかむらあるま) の 詩 [メ ニ ュ ー] |
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