病葉

 

 

蒼紫の透明な病葉が

私とあなたをすり抜けて

音も無く 夢も無く 跡形も無く

地表に消えてゆく

雹よりも冷たく 露よりもたよりなく

私達は肩を並べて

まるで 二本のレールのような

醜い蛇になって

いつまでも どこまでも

無表情に 這いずりまわっているかのようだ

地を踏みしめる 感触もなく

あなたの温かみを 感じることもなく

ただ ただ 平行線の軌跡を残して

いつまでも いつまでも

どこまでも どこまでも

蒼紫の透明な病葉が

私達をすり抜けてゆく

 

 

 

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