磁針

 

 

 

僕は意志をかたく持ち

 

心をくだけぬ鉄にして

 

時計に従い 時計を守り

 

ひたすら 君の幸せ願い

 

毎朝 毎晩 ちくたく ちくたく

 

ところが 君は不幸せ

 

髪を乱してヒステリー

 

たちまち 針は磁針と化して

 

君のご機嫌だけを指す

 

僕の意志はかたいから

 

心は純情 鉄だから

 

君の幸せ何なのか

 

解らないまま ぢぐだぐ ぢぐだぐ

 

融通のきかない鉄だから

 

毎朝 毎晩 ぢぐだぐ ぢぐだぐ

 

 

始末記

 

 

 

ねごと ごとごと
 
          にえたぎり

あのこの こころを

          あつくした

ことのはじまり

          ざこねのよ



ことば たくみに

          あやつって

あのこの こころを

          ゆさぶって

ことばにならない

          ことだけど

ことが おこって

          こができた


わかげのいたりは
  
          ことごとく

ざこねの よるの

          ひとりごと

 

 

 

バス

 

 

 

彼女であるはずがない。振り向かないで歩く。いや、振り向けないのかもしれない。あの

おばさんが、彼女であるはずはない。いつも下を向いて階段を掃除しているおばさん。顔

を見たことも無ければ、見たいと思ったことも無い。ただいつも、「おはよう」「お疲れさ

ま」のあいさつだけはする。そのおばさんの横顔が階段で擦違った一瞬、彼女の横顔だっ

た。僕はそのまま早足でまっすぐバス停に向かった。あのおばさん、いつもああやって階

段や教室やトイレを掃除しているんだ。僕が、毎日教壇に立たされてしゃべっているよう

に。バスの一番後ろの席に座った。いつのまにか、二人だけの貸しきりバスになっていた。

映画館でもそんなことがあった。喫茶店でも、そうだった。店の名は「ぶどうや」と言っ

た。懐かしくて海を渡ってあの鄙びた街に足を運んだことがあったっけ。でも既に、あの

喫茶店は無くなっていた。クリスマスも隅のテーブルで二人だけだった。僕が塾の講師を

しているのだから、彼女がビルの掃除婦をしていても不思議ではない。寧ろ、ほっとする。

もし、あのおばさんが彼女だったとしたら、そして、彼女が僕を僕だと知ったなら??? 

バスが止まった。混み合っていて顔は見えないが、女性の笑い声が聞こえてきた。
                                                  
 ・・・あの頃と少しも変わっていないのね・・・。

 

 

 

懐古趣味

 

 

 

たらふく 食った

桑の 葉を


蚕 吐き出す

繭 作る


紡いだ 糸で

何を 織る


たらふく 食った

時の 実を


回顧 吐き出す

夢 綴る


綴った 夢の

中で 寝る

 

 

 

きっといつかは

 

 

 

生物 静物 無生物

 

夢精をするなら生物だ

 

生物 なまもの 早めにどうぞ

 

銅像 仏像 無生物

 

物物交換 心と体

 

DNAだ ANDじゃないぞ

 

どちらか捨てなきゃ

 

この身は立たぬ

 

立ってばかりじゃ

 

この身がもたぬ

 

あなた好みもほどほどに

 

今日は切り上げ さようなら

 

地球の旅なら二重の螺旋

 

UFOよりDNA

 

地球も子宮も不思議機構

 

きっといつかは宇宙紀行

 

 

 

 

公園

 

 

鈴虫は 名残の風鈴

砂場の水たまりに

銀色の風が揺れている

ブランコの泡を漕ぐ

茜雲 一艘

 

 

 

むしのいき

 

 

あだぶらかだぶら あぶら蝉

むしむしする日に けたたましい

にがむしつぶした 寝息がかかる

むしずが走るよ ねごとがあずる

五分のたましい うらやましい

大和だましい うらめしい

かなっただろうか むしめがね 

ななほしてんとう ねたましい

てんとうむしだまし ねたらしい

 

 

 

 

 

 

生まれたばかりの

淡く柔らかい この光の膚さえも

今日一日のうちに

焼け落ちてしまうのかと

悲嘆にくれるやつがいるとしたら

そいつは 病気に違いあるまい

 

 

 

最後の一行を見つけなければ

 

 


地に足が着いていなければ

夢になど手が届こうはずもなく


眉唾ものの

耳年増

目聡いだけの

口先男になり果てれば

鼻であしらわれても仕方がないことだが

 

 

 

 

 

 

恋とは何か

恋とは葛藤である

情欲と発心の葛藤である


男の情欲の対象は肉体である

美貌に翻弄されその声に歓喜する

刷り込まれた匂いに戸惑いながらもその肌触りに酔いしれる 

女のもつ理性も慈母性も男はすべて肉体に還元して憚らない

その情欲は活字にさえ喚起を促させるのだ 

女の肉体に纏わるあらゆる情念

それが情欲の正体である

女の体を ありとあらゆる夢をぶちこむことができる宝箱にすること

そして その全てを自分のものにすること

それが男の情欲である


女の情欲の対象は虚栄である

財産 職業 社会的身分 門地  

才能 名誉 学歴 将来性 

それから肉体 

だが 女の情欲する肉体は男それ自体ではない

男から抽出された虚栄のエッセンスである

女は無意識の中に巧みに迷彩されたそれに悪びれる事もなく従う

女は自らの肉体さえも虚栄のためには惜しまない

否 惜しむことなどできないのだ

そういった性癖こそが

全てを即物化し自らに従属せしめようとする

願望の実現を可能にするのだ

それが女の情欲の正体である

女が男に優しさを求めるのは虚栄の構築と保持のために他ならない

男は女無しでは自慰一つ出来ない

だが女は男無しでも悶えることができる

無機質な即物にさえ反応することができるのだ

女は雪玉を転がすようにして己の身を即物により増殖する

それが女の情欲に違いない

女は即物を餌食にして蛇のように身をくねらせるのだ


だが 恋する男女は

情欲に咽ぶ自らを恥じ煩悶しないではいられない

情欲の内部から風船のように膨らんで胸部を圧迫するもの

それが発心だ

発心は平和 安穏 永遠を望む

利己 闘争 嫉妬を忌み嫌う 

それは既に愛である

普遍性を有する愛である

父母、兄弟姉妹あるいは友人に抱くのと同じ類の愛の精粋である

奪うことではなく 只管 無償で与えることのみに専念する

相手の持つ汚れの中に身を投じ自らの全てをくれてやることを欲する

男も女も心の奥ではそんな自らを希求しているのだ

本当はそれのみを懇願しているのかもしれない


情欲は獅子舞のように髪を振り乱しながら

発心の急所に喰らいつこうとする

発心は闘牛士のように赤いマントを翻す


恋する男女には

先ず 自らの葛藤に緊縛される運命が待っているのだ

 

 

 

湯治

 

 

お風呂 ふろ ふろ

不老不死 

不治の病も 不思議に治る

なおる 折る折る 千羽鶴

鶴は 千年 亀 万年

どうなりまんねん 蜉蝣は

たった三日で みまかりまんねん

湯気に 揺られて ゆらゆらと

癒す病の その名を聞けば

それは “人生” みもふたも無い

泣いちゃいけない 笑って歌え

♪ こりゃ 花も咲くえ~ ちょいな ちょいな ♪

 

 

 

寝不足

 

 


痛みに全身の力を吸取られた夕方の手が

だらりと

僕の肩に重くもたれかかっている

もうすぐ闇がやってくる

今日はもう睡眠薬など要らない

駆込み寺など捜さない

食事も風呂もいい

全てから開放されたんだ

もう 欠伸さえ出なくなった

眠りながら歩いているのか

歩きながら眠っているのか

まだ 多少の思考力は残っているようだな

もう少しだ

もう少しで家に辿着く

布団にもぐりこみさえすればこの悪夢から・・

この悪夢から・・

だが

本当に脱出できるのだろうか

この失業という悪夢から

 

 

 

桜餅

 

 

 

さくら 葉ざくら

くらくら 目まい

甘い 吐息が 香りたち

もち膚 やんわり 十字に切って

とわを誓った さくら餅

サクラメントの賛美歌は

ぼんぼり ほんわか 夢ごこち

ほんのり そまって さくら餅

 

 

 

裏腹

 

 


明るいところには もう いられない

こんな仄かな星明りでさえ

蜂のように僕を刺す

雅なところには 二度と いたくない

こんな仄かな薔薇の香りさえも

ちくちく 荊のまねをする

こんなところは もう ごめんだ

もう ごめんだ

 

 

 

断固今する 留守 舞込んだ

 

 

 

断固今する 留守 舞込んだ

速達郵便 差出人

なんと 吾が子だ まな娘

慌てて開いた 文面は

断固今する 詩投稿

ネットですると 詩の投稿

何をちょこざい 十年早い

ギルドの詩人は 一流詩人

回文書けて 一人前

回文解けても まだ二流

もし解けないなら三流以下だ

ネットの詩人は甘くはないぞ

アクセス一回 あたい千金

巷の本屋の千冊分

それでも 実入りは無いんだぞ

断固今する 留守 舞込んだ

手紙の返事を 吾が娘

解けるだろうか お馬鹿な娘

だんこいまするるすまいこんだ

 

 

 

2.14の誤解

 

 

 

入れ歯あげるわ

そんなもの要らないよ

ホントは欲しいくせに 私の手作りなのよ

へえ 君っていい技能もってんだなぁ 見直しちゃったよ

えへへ 褒められちゃった じゃ 貰ってくれるわね

君って案外しつこいんだなあ 要らないものはいらないよぅ
こう見えても俺はまだ若いんだ

そう 私なんかじゃなくって もっと若い子のほうがいいのよね
私の気持ちなんか どうでもいいってわけ
クスン エエ~~ン ウエェ~~ン さようなら グスン


イ レ バ ア ゲ ル ワ ?

「入れ歯あげるわ」 ??

「要ればあげるわ」だったんだ !!

チェッ 俺 甘党なんだ!!!

 

 

 

あなくるし

 

 

 

あなに こもって

こうもり こもり

こもり はかもり

あなくるし


どうくつ たいくつ

こうもり こもり

こもり こもれび

あなくるし


りくつ へりくつ

こうもり こまる

おまる あまもり

あなくるし

 

 

 

 

終着駅

 

 

 

どこかで見た顔だが思い出せない

見慣れた風景だが ここがどこだか解らない

ただ 終着駅で降りればよいことだけは知っているから

別に 心配することでもない

あなた お一つ いかが

えっ ええ どうも これは何と言うお菓子ですか

まあ あなたったら ほほほほほ

・・・妻であるわけは無いし ?? 何故 妻でないんだ 

きっと 妻なんだ こんなに慣れ慣れしいんだから そうに決まっている

満員だった客がだんだん少なくなってきて がら空きに近くなっている

お客様 おくつろぎのところ申し訳ありませんが 切符を拝見いたしたく・・

奥様は次の駅でお降りですね はい どうも

妻は一枚しかもっていないようだ

ない?? ないから切符を買わせろ?? 困りますね お客様
仕方がない 終着駅まで乗って貰うしかありませんね

だから いくらなんだ 終着駅までの乗車料金は

料金???・・・??

車掌さん お願いです 許してあげてください この人は・・ この人は
お願いです 次の駅で降ろしてあげて下さい

奥様 お気持ちは解ります よく解りますが・・ 決まりなのです 掟なのですよ

ドアが・・ ああ あなた あなた・・・     あなた!!

 

 

 

おもいで

 

 

 

あのこと すごした

ときは おもいで


どんな おもいで

あのこは いたのか


おもいで おもいぞ

いまでは おもい


おもい つもれど

いまは おもいで


おもいだす ひび

つもり つもって

 

 

 

あいに

 

 

 

がた ごと

がた ごと

てっきょう こえて

にいがた

やまがた

とんねる ごとに

がた がた

ごと ごと

ふゆが ふかまり

からだ 

ごと ごと

さむさに ふるえ

きもち

がた がた

あのこ おもえば

 

 

 

時を踏む

 

 

 

獣たちの 逃げ惑う気配 


鬼ヤンマの顔が 深緑色の果物になって 

梢にぶらさがっている 森の隙間から

瞳に 赤い炎を宿した

ほの白い 少女の肢体を 垣間見た


時を踏みしめる裸足


足音ひとつ残せない 儚さが

今も まっすぐに 歩んでゆく


放心した 影

 

 

 

しっちゃかめっちゃか

 

 

 

本棚ひっくり返して 文字の洪水

漢字はかなづち 溺れてわめいてる

かなだけ掬って スクラップ

万華鏡にぶち込んで ぐるぐる回しだ
 
耳をあてたら 怒鳴り声

”目でみろやい!”

知るもんか 捨てちゃえ

カレンダーから抜け出したワンちゃんが

咥えて 何処かへ持ってっちゃうぞ

りゃりゃりゃ

額縁が決壊したぞ 瀧が流れ落ちてくる

ドアを開けたら木枯らしピープー

どうする パソコン

どうする スキャナ

 

 

 

はおん わおん

 

 

 

はおん わおんと すずめばち

 

心を襲う 低周波音

 

村八分 孤立無援だ 四面楚歌

 

取り立て厳しい サラ金地獄

 

低周波音のはちあわせ

 

低周和音だ ただその中に

 

何故か優しい 貸し金美人

 

高周波音で奏でるしらべ

 

♪ 支払い能力無いならば 自己破産より 宝くじ ♪

 

勇気りんりん 借金百倍

 

ついに買ったぞ 宝くじ

 

いちかばちかの宝くじ

 

当たってニコニコ 取り立て美人

 

札束串刺し 僕は一刺し

 

ちくりと痛い 高周波音

 

さよなら ばいばい 低周和音

 

 

 

お互いさま

 

 

 

地形図を指で辿って

GO GO GO

時間がたった 日が暮れた

此処の所に何かがあるが

月明かりではよく見えない

目を近づけてよく見ると

ちょっと動いたような気がする

やっぱり動いているようだ

虫眼鏡ではいまいちだ

どうせ見るなら顕微鏡

おや まあ どうした

意外や 意外

望遠鏡で覗いてる

あのこが僕を覗いてる

 

 

 

くちづけ

 

 

 

安らかな寝息を聞くたびに

胸の鼓動を確かめて

僕は いつも

君との幸せを確信していた


暖かな闇のなかでの抱擁

この甘いくちづけが 

その度に

君から幸福を 吸取っていたなんて


青白い月の光に晒しだされた

ひからびた 君の肢体

 

 

 

おちつかない

 

 

 

つかない つかない

あし ちに つかない

つかない つかない

おちつかない


あしたが こわくて

あし ちに つかない


ぐにもつかない

きょう この いまが

あしたに つくのが 

こわくて こわくて

 

 

 

くつわむし

 

 

 

りくつ くつくつ

くつわむし

くつした ぬいで

くつぬいで

じべた ふみしめ

はだしで ゆこう


りくつ くつくつ

くつわむし

がちゃ がちゃ

いうのは

わかるけど

くつした ぬいで

くつぬいで

たまには しずかに

はだで しかこう

 

 

 

ごろあわせ

 

 

 

ごろごろ ごろごろ

ごろあわせ

かみなりさまより

ごろあわせ


ごろごろ ねころび

ごろあわせ

ねこの のどより

ごろあわせ


このごろ こころも

ごろあわせ

ろごす ころすも
 
ぱとす さとすも


ごろごろ ごろごろ

ごろあわせ

くろう ごくろう

ごろあわせ

 

 

 

どこどこねどこ

 

 

 

ねごと ごとごと

ねどこで ねごと

ひごと よごとに

ひめごと ねごと

ねどこ おおごと

このこの こごと

ごとごと ごとごと

こごえる ねどこ

ねごと ごとごと

しごとの ねごと

ねこと ごろごろ

ごろねの ねごと

 

 

 

宵の口

 

 

 

辻褄あわせて 帳尻あわしゃ

それで納得 浮世の街道

納得できぬは 獣道

草鞋なおして 仕切りをなおせ

宵の口だぜ 人生は

辻道 草道 気をつけて

よいよいよい の よいよいよい ってか

 

 

 

惰性

 

 

 

ごめんね 待たせちゃって
久しぶりに友達と会っちゃったもので

んんん いいんだ 僕も今きたとこなんだから

そう よかった
(なによ?この吸殻の本数)

じゃ 場所変えようか
(今きたとこなのに もう?)

(わたし なんでこんなこと付き合ってんのかしら)
今日はもう 遅くなっちゃたわね

ん うん そうだね

じゃ また

ん おやすみ またあした

おやすみなさい
(また あしたも? ああぁ~~ なんでこうなるの)

 

 

 

かくしあじ

 

 

 

かくかくしかじか

 

書くのをやめて

 

視覚でとらえる

 

詩が書きたいと

 

色鉛筆で 詩を書けば

 

ついでに かいたよ 赤っ恥

 

頭 かきかき 青くなり

 

懲りずに書けば 恥じの上塗り

 

かくかくしかじか そんなわけ

 

自信なくして ラブレター

 

心しぼって 知恵しぼり

 

レモンの汁で あぶりだし

 

恥ずかしながら かくし味

 

文字をかくして 恥じをかくして

 

 

 

空まわり

 

 

 

線路を逆行するオニヤンマ

 

いわし雲の目玉に トンボかえり

 

懐かしい水面は 非情な鏡

 

こんなに飛び続けているのに

 

羽の意味さえ解らないでいるのか

 

もどらない季節に

 

もどれない命が 空まわり

 

 

 

人生

 

 

 

重いといえば 重いもの


亀の甲羅は 重そうで

亀にゃ ちっとも 重かない


あなたの 胸も 重そうで

貴女にゃ ちっとも 重かない


重いと言えば重いもの

それは 貴女の もの思い

 

 

 

はあほでもあほでのうてもただで書けますただで読めます

 

 

 

 

詩人 じんじん しびれる詩かけ

 

大上段に振り上げられた

 

竹光びびって 尿びるな 詩人

 

権威の詩集に 媚びるな 詩人

 

投稿するのは いいけれど

 

きっと いつかは ネットに投降

 

鞘に収めた真剣なれど

 

抜けば一振り 己もひとも

 

いつか じんじん しびれる詩かけ

 

詩人 じんじん しびれて詩かけ

 

大冗談でも真剣勝負

 

 

 

こんぺい冬

 



ごぎょう はこべら

ほとけのざ

すずな すずしろ

せり なずな

ごこく ほうじょう

こんぺいとう

ことしもそくさい

あまちゃがゆ

 

 

 

 

夜雨

 

 

 

紫の闇に蹲って

ただ

夜雨の嘆きだけを聞いていた

あいつ

思い出すと 虫唾が走る

闇の帳のおかげで

俺は鏡を見ないで済んでいるが

それにしても

あいつには

慰めてくれた 俺がいたなあ

 

 

 

犬も喰わない

 

 

 

とうふ ふーふー 湯どうふ ふー

 

ふうふ仲良く 食った 鍋

 

夏の盛りに 冷えきって

 

冷房いらぬ ふうふ仲

 

ひゃっこい ひゃっこい ひややっこ

 

犬も喰わない ひややっこ

 

 

 

雛祭り

 

 

 

初めまして お内裏様 宜しくお願いしま〜す

 

こちらこそ 宜しくね お雛様

疲れちゃったでしょう あのお籠に乗ってきたの?

 

ええ 乗り物酔いしちゃって・・

初めてのことなので つい つわりかと・・

いえいえ そのう そんなわけは・・

ところで お内裏様は あの牛車??に乗って・・

 

いえ 牛車じゃなくて馬車なんだよ

牛が狂牛病の疑いがあったもので、急遽・・

でも、そのぶん早く着いちゃってね

 

そうなの

私は京都からこちらの家に来たんですけど お内裏様はどちらから?

 

僕は江戸っ子なんだよ

この家のお父さんの主義らしいんだけどね

「あずま男にきょう女」というのが

僕達は皆みよちゃんへのプレゼントらしいんだけど

去年の秋は大変だったらしいよ

だって お母さん わざわざ京都の病院まで行って

みよちゃんを産んだそうだよ

 

そうなの でも それにしては変だわ あの官女達のお顔

なんでお髭があるの?

 

あのお髭は お兄ちゃんのふとし君の仕業なんだよ

さっき お母さんにお尻ぺんぺんされてたよ

 

いたずらっ子ねえ

寝てるとき私の着物のすそめくったのもあの子だったのね

 

そう そう 絶対そうだよ 僕じゃないんだから そうに決まってるよ そうだよ

 

五人囃子もへんよねえ みんな 首がとれちゃってるわ

 

あれもふとし君の仕業 食べちゃったんだ

 

食べちゃった?

 

そう 食べちゃったの だってチョコレートで出来てたんだもの

五人囃子は国産じゃなくて安い輸入品にしちゃったんだ ガーナからのね

 

ふ〜ん

お父さん ボーナスでなかったんですってね

この不景気だものしかたないわよね

でも ふとし君 叱られなかったの?

 

だいじょうぶ だいじょうぶ

ふとし君 鼠がかじっちゃったことにしたんだよ

 

そう たいしたものね

 

でも ふとし君の悪知恵に助けられたのはホントはお父さんの方なんだ

輸入品にしたこと お母さんには内緒にして

差額をポケットマネーにしちゃってたんだよ お父さん

 

まー 男の人ってずるいのね

 

そんな ア・・ 横目で僕を睨まないでよ

今日は楽しい雛祭りなんだから

 

 

 

 

君は素敵だ

 

 

 

蒼い山の麓を

白馬に跨ったあの娘は

桃色の笑窪で 僕達みんなを魅了していた

君は いつも黒い馬に乗せられて

あの娘の影になって従っていた

紫色の痣が融けて 笑顔が生まれるまで

僕は 君に気付かなかった

誰も君に気付けなかった

ごめん

赤いブラウスにさえ気付かなかった

 

 

 

女神のスランプ

 

 

 

トランプ スランプ オーバーラップ

 

この世と あの世で 猫がなく

 

自由の女神の 尻尾を追って

 

あの世と この世の 猫がなく

 

量子力学 波速の収縮

 

パラドックスやら パラノイヤやら

 

アインシュタイン 意地悪ぼーや

 

ともかく わたしのサイコロ返して

 

トランプ遊びじゃ めが出ない

 

ニールス=ボーアも 賢いけれど

 

アルバート あなたも 賢いぼーやだわ

 

波乗りゲームは もうしないから

 

返してちょうだい サイコロを

 

一緒にやろう 丁半賭博

 

ぼうや いい子ね 優しい子

 

月が消されることよりも

 

私が消されることが 怖い

 

つきが無くなる トランプよりも

 

壷から消える サイコロが怖い

 

ぼうやいい子だ ねんねしな

 

怖くはないから ねんねしな

 

波に揺られて 揺られて 揺れて

 

寝てるすきみて???

 

いえいえ そんな・・

 

 

 

白い馬

 

 

 

恥らう顔を俯かせて

紅い貴婦人を乗せた

白い馬

大空に拡がる星屑が

未知の憧れをちりばめている

闇にまぎれた

無数の黒い馬を従えて

白い馬 

躊躇いがちに

緑色の翳をひきずって

白い馬

白い馬

白い馬

白い馬が 一頭

 

 

 

はな咲く乙女達

 

 

 

三角 四角 楕円形

はなはだ失礼 鼻の穴

電車 花道 お姉さん

鼻の上から 大きな瞳

僕を睨んで 怒ってる

ごめん ごめんよ 悪気はないの

はなやぐ でんしゃ 見上げたら

たまたま 花道 鼻の穴

いろんな形で 咲いていて

のびて ちじんで ふくらんで

大きなあくびの上に咲く

あなたの おはなは ハート型

ぼくは またまた 暇だから

ついつい おはなに 見とれてた

花さかじじいの やぶにらみ

ごもっともです お父様

はなはだ失礼 かぐや姫

ひし形 まがたま。。。。。 はっくしょん

 

 

 

皺くちゃ天使

 

 

 

皺くちゃ笑顔の
 
黄色い天使

笑い転げて飛んできて

白い月夜の笹舟で

黒い仔猫と

ぎゃろ ぎゃろ ぎゃろろ

ぎゃろ ぎゃろ ぎゃろ ぎゃろ

ぎゃろ ぎゃろろ

碧い譜面が波うって

きゅろ きゅろ きゅろろ

きゅろ きゅろろ

きゅろ きゅろ きゅろ きゅろ

きゅろ きゅろろ

 

 

 

自己否定

 

 

 

闇に支配された 星たちが

あどけなく 叫んでいる

この闇を打倒せよ

光に満ち満ちた 太陽こそ 僕らの希望なんだ

 

 

 

おあいてください

 

 

 

古びた引出し 奥の片隅

歌われなかった 青春の歌


オーラになって

抜け出て 踊る


サルサ パラパラ ドドンパか

デイスコ カラオケ もう古い


おしゃれ こうべの 頭蓋骨

ドームのなかの 舞踏会


おあいてください お嬢さん




キリマンジェロのお風呂

 

 

 

まだ

そう まだなんだ

まだ 追い出されたわけじゃないんだ

でも それが 怖いんだ

だから ぼくは こうして

テーブルの上に 町をつくって

学校を 病院を 老人ホームを 交番を 鉄道を

そして ぼくが勤めている郵便局も つくったんだ

ビルも いっぱい建てて

こんなに複雑な 大都会になっちゃった

だから

ぼくは 道祖神になって

ここに 逃げてくるみんなを 優しく 導いてあげるんだ

それにしても 静かな 大都会だ

嵐の前の静けさなのだろう

とりあえず 今は

方向音痴の あやちゃんを ここで 待っているんだけど・・

はやく来ないと せっかくの キリマンジェロが冷めちゃうよ

でも いいや

冷めたら これを お風呂にしよう

そして あやちゃんと

いつまでも ここで ぬるま湯に つかっているとしよう

もっとも

あやちゃんが いっしょに 入ってくれたらの 話だけどね




かろうし

 

 

 

昔 家老死

腹切れど

お家 守れず 城明渡し

城主 守るにゃ 命乞いのみ

今 過労死

働けど

ローン 払えず 家明渡し

家族 守るにゃ 保険金のみ

 

 

 

つよがり

 

 

 

ちょっとぐらい

マチスの絵の中の

果実が転がったぐらいで

びびるこたあないさ

地震のせいにするこたあない

部屋の中があかいからといって

火事が起きているわけじゃないさ

窓のそとにはちゃんとあおい空も見えるじゃないか

地震が起きたって大空が消えるこたあない

びびるこたあないさ

まあ、みんな

みんな大地につきあってやって

        いっしょに震えているのはいいけどな


 

アジアの春

 

 

 

春だ 霞だ 雲かなた

 

黄砂 竜巻 大陸の風

 

教科書問題何のその

 

日中友好 同發中日

 

美味しく食おう

 

春巻き 春雨

 

氷山割った

 

杏仁豆腐

 

アジアの春待つ

 

仁義礼知信




ポートレート

 

 

 

降りそそぐ

まなざしに

あなたは妖しく

溶けてゆく


臆病に潤んだ瞳

笑窪を濡らす 思い


言葉を忘れた 唇だけが

宙に浮かんで 

わなないて 揺れて


花の影が 乳房をかばう この丘で

夢の花びらが 舞い上がる 


朦朧と 朦朧と 

ただ 朦朧と


笹の香りが運ぶ この淡い思いに

小鳥は 羽根を舞い散らし

今を忘れて 囀っている


降りそそぐ

まなざし

妖しく 溶けてゆく

あなた

 

 

ある絵描きの悩み

 

 

 

俺は 思うんだ

ピカソの あんなグシャグシャな絵よりも

もっと もっと いい加減に描かれた あの絵

空のカンバスに描かれた あの夕焼け雲の絵

神様だかなんだか知らないが

あんなに いい加減に描かれた 落書きみたいな絵

みんなが 綺麗だって 誉めるんだ

あんな いい加減な 落書きを・・

こんな 理不尽な話って あっていいの??

心の底から 美しいって 思わせられちゃうものな

この俺にしてそうだ

ホントに 不思議だよな あの落書き

それにひきかえ 計算し尽くされた 俺のこの力作

構図 線 形 色 すべて計算ずくだ

何故 感動しない 何故 誰も誉めない

やめた やめた 俺は もう 一切やめた

あほくさくなった  畜生!! 畜生!! この野郎!! こうしてくれる えい!!


 

くそくらえだ

 

 

 

僕は 嫌いだ

どろどろとした 内臓をもっている奴は

嫌いだなんて ほんとは 怖がってんだ

僕は 嫌いだ 干物みたいな 身体をもっているやつは

嫌いだなんて ほんとは 悲しいんだ

さらさらと 流れる 言葉だけになって

言葉の体を求めるとしたら いったい どんな言葉を求めるのか

ぼくは 嫌いだ 

内臓も 干物も 連想させる言葉なんて

僕は嫌いだ言葉なんて大嫌いだ

五感に蹂躙された言葉なんて大嫌いだ

第六感に苛まれた言葉なんてもっと嫌いだ

何もかもを皮一枚に包んで微笑むマリア像のような

そんな言葉なんて信じられない

僕は言葉なんて 内臓の匂いのする言葉なんて大嫌いだ

大嫌いだ

詩なんて くそくらえだ

 

 

やめました

 

 

 

ぼくは もう やめました

しらじらしくて 恥ずかしくて

自分の詩なんて 読めません

書くのだって いやになりました

トンボを捕りそこなった 捕虫網の軌跡ばかり

それが詩だなんて

なまなましくて おどろおどろしくて

あなたの詩なんて読めません

詩人だなんて 大うそつきです

ぼくは もう やめました

書くことも 読むことも

もう いやです

 

 

そんな詩人になりたくて

 

 

 

川底で 光る 砂金を

拾って 集め

仕上げた 造形 金細工


星空に 流れる 瞬時(とき)

瞬時(とき)の 香を

そっと 掬って

永遠(とわ)を 織る


そんな 詩人に なりたくて

そんな 詩人に なりたくて

 

 

詩人になりたい

 

 

 

詩人ではない

耳を澄まし

眼を逸らさずに

臭穢に鼻腔を開き

抱擁して

口づける

そんな勇気はない

君は 詩人にはなれない

解っています

解っていますとも

けれども・・

私には・・

私にも・・

 

 

 

ともだち

 

 

ごみ箱に入れるだけじゃ駄目なのよ

空にしなきゃね

空にしても臭いが残るわ

それが一番の問題なのよね

だって 

あの 未練がましい しぐさ

あの 悲哀に満ちた なき声

くん くん くん くん

きゃん きゃん きゃん きゃん

いえ いえ

わたしは あなたのともだちよ

 

 

 

せかいをいかせ

 

 

読めば涙がほろりと落ちる

タマネギみたいな詩が書きたくて

ノートパソコン軽くきざめば

とんとん拍子に活字ははずむ

とんとんとんとん調子にのって

一つ階段踏み外したら

たちまちいつもの親父ギャグ

馬鹿にするのかおまえ達

開き直ってもとをただせば

息子娘も俺の一滴

かまわずどんどん適当に

きざんでゆけばいつの間に

わけがわからぬ不適当

敵も味方も詩論に異論

十も承知のみじん切り

適当不適は紙一重

秘密をきざむこの妙味

神も通せぬ針の穴

通してはじめて詩人技

わざわざ書くのはやぼだけど

書けば書くほど自己嫌悪

せめて回文もう一つ

世界を生かせそれしかない

おまえの世界ただ一つ

せかいをいかせ 井の中の

ぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐ親父ギャグ

逆転一発それしかない

 

 

 

不精髭

 

 

 

無精髭

 

ネクタイ 締めたら

 

無駄毛と 呼ばれ

 

鋭い 刃物で

 

切り落とされて

 

 

無精髭

 

哀れ わが友

 

自由人

 

無駄毛の ごとく

 

リストラされて

 

 

 

 

 

招かれた元代議士が

来賓の祝辞を市会議員の後に回されたうえ

混雑するデパートで 

おねえちゃんのオッパイにぶちかまされて

知らん顔されても

着飾った首の無いマネキンに 笑顔で挨拶してる

偉いもんだなあ 強いもんだなあ

でも

あの首は いったい どこにいったのだろう

 

 

 

虫けら人生

 

 

 

生きがいなければ 死にがいなくて

死にがいなくても 死んだら屍がい

ぷかぷか ぷかぷか 屍がいが浮いて

ぷかぷか ぷかぷか 浮世に浮いて

生きたふりして ネクタイ締めて

締めても 締めても 締めきれなくて

ふらふら ふらふら 生身をゆらし

生きたふりして 浮かれた顔で

ふらふら ふらふら 浮世にゆれる

虫の死なんぞは いつも無視

虫にもなれない 虫けら人生

 

 

 

 

短夢症候群

 

 

(1)

 スローテンポで ブルース ステップ

 スポットライトは クイック クイック

 風がめくれて 思いで チリジリ

 幾何学模様の ステージ デイゾルブ


 (2)

 雪より冷たい 雨が衝く

 背中の子供の 稲光

 水神様へか 龍神様へか
 
 きゃっきゃ きゃっきゃと

 刺す笑い

 うがいた石を 衝く笑い


 (3)

 敲いて 敲いて

 涙で 絞めて

 大地に 掌 押しつけて

 押して 押して 押しつけて

 敲いて 敲いて そして 敲いて・・・


 (4)

 



 もう やめよう

 
 白い夢など もう やめよう・・・

 

 

 

紫陽花

 

 

僕はうそつき だから知らない

何も知らない

はな嫁が ライスシャワーを浴びる頃

どしゃ降りに うちひしがれた ベランダの小鳥

横倒しの 植木鉢の巣に宿った

七つの卵を 狙うカラス見つけて

親鳥 まっ青 叫び声

それでも 青い鳥 だから仕合せ 

みんな 仕合せ

親鳥 巣に帰ってみたら

雛がかえって ぴい ぴい ぴよよ

せっせと 餌を運んで

横倒しの 植木鉢 雛が 飛びさって

まっかな うその アルカリ 紫陽花

植木鉢で 生まれたけれど

僕はうそつき だから知らない

何も知らない

小鳥のお顔は まっ青で 小鳥のあたまは まっ白け

健気に 歌を ぴーちくうたう

酸性雨にうたれて まっ青 

僕はうそつき だから言わない

何も言わない

まっかな うその アルカリ 紫陽花

 

 

 

声を待つ

 

 

流れは変わる

君の黄色い声が

黒い雪など流してしまう

そうすれば

降り積もる雪も花になる

白い綺麗な可憐な花だ

君と同じ

華やいだ 明るい希望の花だ

 

 

 

仏が華

 

 

 

ひそひそ ひそひそ 話し声

かしまし娘の 笑い声

僕に ちらちら 目をおくり

くくく くくくと うつむいて

僕はやっぱりもてるんだ


知らぬが仏か 仏が華か

みんなも あの子も 怖がって

僕の目つきを怖がって

ひそひそ ひそひそ 馬鹿にして

きゃっから きゃっから 笑ってた


このー このー このヤロウ!!


怒り心頭 意気消沈

ぼくは 目つきが悪いんだ

生まれつきではないけれど

つきが無いんだ 生まれてみても

せっかく あの子に出会えても

ぼくは 目つきが悪いんだ


このー このー このヤロウ!!

 

 

追憶的白昼夢

 

 


梅は行き

桜は散れど

鈍色の

空に

虹見し

今治の夢

滲みし

二児魅し

今春の夢

     今遥の夢

 

 

 

立会

 

 

立会 Ⅰ


はあ それは お偉い 先生さまで

それでは 証人として 立会わさせて戴きます

はあ なるほど ご令息が

・・ばか あほ ちんどんや おまえの母さんでべそ と・・

それで この公正証書遺言によって その三男さまを排除なさる

なるほど ふ~~ん

はい はい ここですね 偉い先生さまの お隣り

ここに 証人として 署名 捺印・・・はい ちゃんといたしました

へえ~ 40年間も大学におられて はあ~ それはご立派で

哲学でも カントがご専門 は~~
 
二律背反 純粋理性批判 ちんぷんかんぷんでございます

へ~~ 先生は全部ご理解なさってる 弟子にも全部理解させた?

そんなことはない はい?? 学問は自分で究めるものだ

ごもっともでございます

流石 お偉い先生でいらっしゃいます

立会のお礼?? どうも どうも ご丁寧に

??? ええ~  新渡戸稲造博士 一枚  一枚ですねえ

はあ たしか新渡戸先生も 三男坊ではなかったかと

ですが 福沢諭吉先生は ご次男さまでなかったかと・・・

あ どうも どうも つまらないことを申し上げました どうも どうも



立会 Ⅱ


そうか そうか いい役だな

会場責任者と試験官が みんなやるんだ 

試験の説明したり 答案用紙配ったり 回収したり

ふむ ふむ このマニュアルによるとだなあ

ええと 俺のやることはといえば トラブルが起きたとき

??? トラブルが起きたときも 俺は直接は対応しない

試験官に対応させて 俺はマニュアルどおり本部に報告すればいいだけ

らくちん らくちん らくちんやなあ

ただ 不正がないか見張るだけか ふ~~ん

立会人って偉いんやなあ もうちょっといいスーツ着てくればよかった

なに?? この電卓つかってもいいか 解からないから見てくれ???

俺は 俺はなあ きかいおん きかいお 機械を直すの得意なんやぞ

で で で この電卓はやなあ 

やめときなはれ 協会のがありまんのやろ それがよろしいがな それが

べ べ 弁当 ? まだ11時でんがな 

暇でっしゃろから・・ まあ そりゃ ご丁寧に

豪華弁当やな うん そんじゃ お先に・・

ええと お茶と箸は?? なぬ??? 弁当屋がもってくるの忘れた??

あと 30分はかかる??????????????

う~~~ん けしからん せっかく仕事ができたというのに

 

 

 

囁き

 

 



狭い部屋に 何処からか 囁きが

独り言 なんの囁き


低い唸りが 小刻みに

窓の外から 覗く

魔物の ひやかし


哀しい 哀しい 囁きが

俺が生まれる前からの

辛い 哀しい 呟きが


朝の窓から 舞い降りて

窓のカーテン こじ開けて

孤独な襟首 掴み上げ


低い唸りで 呟いて

鳥と一緒に 呟いて

鳥と一緒に 翔いた


元の木阿弥 翳殺し

光のもとに 消え去った

 

 

 

 

和紙

 

 


モノクロームの虹

塗ってあげたら 

きみ


はしゃいで 

ぱらしゅーと 


ぽつり ぽつり 雨

波紋


壊れて

額縁から 流出


しみ込んで びしょぬれ


若草色の匂いから

小さな蕾

はみだして


思い出 囀って

花みっつ ぽっぽっぽ


微かに ため息が痙攣


霧の囁きが欲しい

綿雪の足音が欲しい

 

 

 

 

相続人

 

 


ぞろぞろ ぞろぞろ 相続人

葬儀もすまぬに その話

遺産 財産 親族 争族

ぞくぞく するよな その話

遺産財産 さんざん もめて

でてくる でてくる 借金 負債

くものこ散らして おさらば 解散

相続放棄は今のうち

早くしなけりゃ 借金火達磨

私の車は火の車

すたこらさっさ ほいさっさ

ほいほいさっさと 去ってゆく

 

 

 

痛みわけ

 

 


見合って 見合って はっけよい

相手の顔見て 瞳を見つめ

八卦良いなら 両手をおろし

お願いしますと 頭を下げて 

一直線にもっていく

これぞ まことの 見合い道


そうはいくかと専門家

この道 通算30回 

見合いの達人 ここにあり


思えば 険しき道程に

堪えて 堪え抜き 今日この日

涙ぐましき 晴れ舞台

初回に破れ また破れ 

破れかぶれの 8連敗も

結局 通算15勝

涙 涙の 物語

ふられた涙は 乾きが早い

始末が悪いは ふったとき

断る理由をつけなきゃならぬ

相手の傷の痛みが疼く

なんでか わが身に痛みが疼く

そんな こんなで 15回

ふって ふられて 30回

当たるも八卦 当たらぬも八卦

見合って 見合って はっけよい

 

 

 

追っかける

 

 


小鹿の瞳を
追っかけて

追って
追って
追っかけて

薔薇の香りが
ときめいて
蔦のはっぱが
謎めいて

追って
追って
追っかけて

揺れて
揺れてる
あの瞳

追って
追って
追っかけて

君の心を
どこまでも

追って
追って
追っかける

 

 

 

 

無題

 

 


いつも あった

名前が あった


流れる 涙にゃ

名前が あった


何処で 途絶えた

涙の 流れ


何処で 無くした

涙の 名前


わけを 覚えぬ

名無しの 涙


流れることなく


消ゆることなく

 

 

 

おまじない

 

 


あすの まじない

あしたじゃ おそい

               あすもうかる あすもうかる

明日も受かる 試験に受かる

明日儲かる お金儲かる

こんな まじない

まじじゃない

こんな まじない

まず ないな

               あすもうかる あすもうかる

きょうは ともかく おまじない

 

 

 

 

裏山椎の木

 

 


裏山 椎の木

気になる 木の実

着の身 気のまま

流され 流れ

辿り付いたが 運のつき

月のものとも 星のものとも

解からぬままに ままならぬ

浮世の風に 身をまかせ

まかせられれば やらねばならぬ

ならぬ堪忍 するが肝腎

鑑真和尚も ガンジンさんも

苦労 苦労で 一生終えて

植えた 裏山

気になる 木のみ

裏山 椎の木

気になる 木の実

 

 

 

ある夏の風景

 

 


 夏 夏 夏 夏

 懐かしい

 夏を思えば

 井之頭

 木陰の下の

 バトミントン


 飛んで跳ねてた

 青春の

 声は 今でも
 
 みーみーの

 蝉時雨だよ

 鮮やかに

 鼓膜に映る 風景は

 トン トン 昔の

 バトミントン

 

 

 

そのわけ

 

 


俺がダブダブのずぼんを穿いて

コートのような背広を着ているのは

静寂が喧騒の中でしか見出せないような

忙殺された日常から逃避するため

いや、その現実を回避するために

俺は貴様のその悠然とした高慢を

気取って見ただけなんだ

 

 

 

チカリ チラリ

 

 

 

朝日を浴びた こんにゃく玉が

笑い転げて 快感 倒錯

地鳴りのジャズに 煮える眼光

口髭ひねって ため息ついて

頭痛 発熱 体折り曲げ

四角四面の 手術台

海に浮かんだ 宝の小船

木々の色彩 光景チカリ

朦朧 蒙昧 くも膜下 

霧の晴れ間に 光景チラリ


 

 

どうする

 

 

 

限界効用逓減の法則の縄を 振解き

神の見えざる手にさえ 噛付いて

上部構造 下部構造 天地無用もなんのその

宇宙の法則さえかき回す

勝手気ままな おてんば娘

野生美に溢れた じゃじゃ馬娘

そんな女に弄ばれた日には・・・

 

 

やっかみ

 

 

 

若草のように萌え出したばかりの希望を

仔栗鼠のように舐めまわしている少女が

眠気まなこで部屋の窓を開けっ放して

崖路に姿を晒すのは危険だ

荒れた目つきの獣たちの餌食になるのは目に見えているではないか

太古の黴を湛えた父親の肋骨の隙間から心臓を目指して

あのやっかみが錐のように刺し込んでくる

まだ早い

 

 

もう少し

 

 

 

右や左の だんな様

どうぞ ご慈悲を
 
この駄洒落

古今東西 お嬢様

どうか ご慈悲を

語呂合わせ

天国地獄のホステス様

どうか ご慈悲を

わるふざけ

詩にもなれない

洒落にもなれぬ

それじゃ 私はなんなのさ

ともかく 書こう

わしゃ 九十九まで

 

 

 

夏祭り

 

 

 

わっしょい わっしょい 

お祭り わっしょい

かつがれ まつりあげられて 

みこしの上で あぐらをかいて

さけを つがれて のみほして

こおろぎなくころ おろされて

おろおろさせられ やっとこさ

かつがれたこと わかっても

がらすばりだぜ 借金だけは

すぐには おりれぬ みこしの台座

わっしょい わっしょい

お祭り わっしょい

うぐいすばりだぜ みこしの台座

逃げるに 逃げれぬ

おみこし わっしょい

わっしょい わっしょい 

お祭り わっしょい

 

 

 

それしかない

 

 

 

鼻をすするタイヤの音

凍った空の下の孤独

それでも 光はまだある

堪えよう

じっと

それしかない 今は


それしかない


そして 

今は まだ在るんだ

 

 

 

 

忘れても メロディー

 

 

 

歌詞を 忘れた 

メロデイ―

思い出せない 想い

だけど 素敵な 気持ち

心 浮き浮き
 
夢心地



忘れられた あの夢

だけど 唄っているさ

君は きっと

今も メロデイ―

明るい 笑顔で

優しい 声で

もっと 素敵な 歌詞つけて



今も 踊る メロデイ―

ハミング ステップ ハミング

いつか 唄った メロデイ―

どこかで 唄った メロデイ―

君と



遠く 離れても 唄おう

届くように 大声で

メロデイ―


もう一度 唄おう

メロデイ―


君と

 

 

 

その後の親父

 

 

 

髪の毛は岩海苔のようにしがみついている

親父は齢70にして奥歯が生えた 親知らずだ

呆けることもなく背筋もぴんと張っている

不肖の息子には愛想を尽かせても孫だけは無性に可愛いらしい

眼鏡なしで新聞を読んで聞かせている

勲章は隔世遺伝するものと固く信じているようだ

傘寿は過ぎた 次は米寿

不肖の息子の息子が不肖なら

親父にとっては自慢の孫になるのかもしれない

親父も俺もお互い見切りをつけるのはまだ早いのではないか




[2002年作]

 

 

 

 

運転手まかせ

 

 

 

お客さん それは困りますよ

明日に向かって行ってくれ だなんて

それじゃあ 昨日でいいよ ですって

あなたは まだ あの前世紀の理論を信じているのですか?

空間移動はできますけど 私には 時間移動はできませんよ

現に このタクシーに乗ってから 2分くらいはたっている??

なるほど それは そうですね

わかりました お客さん 

明日まで 実車 オーライ

北九州市若松区桜町

久しぶりに 実家で 両親の顔でも見てくるか

 

 

 

 

丸い世界を

 

 

 

丸い輪っこに

三角に乗り

丸いトンネル

緑の世界

鼻は曲がって

空めざし

白い大きな

鳥の目を突く

青い世界が

ぐるぐる舞って

白いわだちに

乗せられて

どこまでも 

どこまでも

三角にゆく

あかくあかく

どこまでも

 

 

 

ああ無常

 

 

 

寝る子起して 額縁こわし

静かな湖底に 穴開けて

渦巻く水が 溢れ出て

眠る故郷 引っこ抜く

ちぎり絵 はり絵 ふすまの下張り

 

 

 

るーずそっくす

 

 

 

あしくび おとした だいこんにして

こせい ころした きんたろう

よっきゅうふまんの たたきうり


どこか にている よくにてる

よごれた もんぺを はいていた

あのひの ばーさん おもいだす


いろあせた せぴあの しゃしんの

うらがわで うずく せいしゅん

かこ みらい


しらがの はえた まごのめに

なみだ みるのは いたましい


とりこしぐろうの あき よなが

 

 

 

春めいて

 

 

 

めくるめく

 

スカート めくる

 

春一番

 

いたずらっ子の

 

顔浮かぶ

 

明日は

 

ときめく

 

クラス会

 

 

 

初夢

 

 

 

初春 春か もう春か

遙か遠くの あなたにも

花の香りの 春風とどけ


着の身 着のまま 冬から逃げて

木の実かじって しのいだ 昨日

がんじがらめの 凍った 時間だ


かじかんだ 心のしもやけ 暖めに

笑顔の お日様 王子様

白雲に乗り 霞分け

やってくるとも 颯爽と


あなたを溶かしに やって来る

優しい笑顔で きっとくる


今は知らない 王子様


・ ・・あなたなしでは いられない

 

 

 

しかいをいかし

 

 

 

あなたは 得意な 司会をいかし

いつも 討論 上手にまとめ

ご出世 ご立派 たいしたものね

あなたは 高みで 視界をいかし

ころころ ころころ 部下ころがして

ころころ ころころ 土地ころがしで

一泡ふかして 大もうけ

ご出世 ご立派 たいしたものね

あなたは 眺める 四海をいかし

貿易会社を起こしたの

うんこら どっこい バブルがはじけ

糞ころがしで ころがって

株価は けい線 ころがり落ちて

ころころ ころころ ころがって

はまった 野つぼへ どっぴんしゃん

しかいをいかし 頑張るあなた

ヒトゲノムは解読された

死海を生かし 蘇らせて

きっと いつかは 鯨釣り

 

 

 

おばかなかばお

 

 

 

おばかなかばお

かばんに詰めて

動物園で 縁むすび

結んで開いて 手を打って

打った 打った 底打った

売った 株価は どんどん上がり

買った銘柄 低迷 迷走

エレベーターで 地震がきたら

どこでもいいから 飛び降りろ

おだてちゃいけない おばかなかばお

おだてりゃ かばの高上がり

それは幻想 バブルの夢よ

清水の舞台の上で 踊ってる

おばかなかばお 誰 降ろす

 

 

 

しんぶん ぶんし しんぶんし

 

 

 

しんぶん しっぽに

し を かけば

しんぶんし

しんだ しんぶん
 
かみくず ぽん


しんぶんし あたまの

しん が ぬけちゃった

ぶんし になって

なに かこか

あたまも しんも

ぬけた ぶん


ぶんし の あたまに

じ を かけば

みんな もってる

じぶんの れきし

じぶんし じぶんし

じいしき かじょう


かじょうがきでは

し に ならぬ

しんではならぬ

かくまでは

しんぶん ぶんし しんぶんし

 

 

 

断固今する 留守 舞込んだ

 

 

 

断固今する 留守 舞込んだ

速達郵便 差出人

なんと 吾が子だ まな娘

慌てて開いた 文面は

断固今する 詩投稿

ネットですると 詩の投稿

何をちょこざい 十年早い

ギルドの詩人は 一流詩人

回文書けて 一人前

回文解けても まだ二流

もし解けないなら三流以下だ

ネットの詩人は甘くはないぞ

アクセス一回 あたい千金

巷の本屋の千冊分

それでも 実入りは無いんだぞ

断固今する 留守 舞込んだ

手紙の返事を 吾が娘

解けるだろうか お馬鹿な娘

だんこいまするるすまいこんだ

 

 

 

ひととき

 

 

 

ポツ ポツと 屋根はつぶやき

シャー シャーと 車は

日頃の 憂さを晴らす

ザワザワと 小川は

禁じられていた

近所の 噂話を始めた

見えない雨は 気ままに

秋の夜を 演出する

 

 

 

なんとなく

 

 

 

なんとなく

なんとなく

泣く泣く 歌うと

この歌を


なんとなく

なんとなく

失くした 夢を

思い出す


なんとなく

なんとなく

懐かしさだけが

こみあげて


なんとなく

なんとなく

涙があふれて

なんとなく

 

 

 

君のみ求め

 

 

 

着の身 着のまま
君のみ求め
やって来た町
港町

きっと 気ままな
君のこと
飲み屋の ママでも
してるかと

気まぐれ 酒場を
飲み歩く
君のみ捜して 飲み歩く

蚤の夫婦と 言われても
必要なのは 君のみだ

入船出船の 港町
君のみ求め やって来た

 

 

 

ぽいと

 

 

 

きのうの けむし 

はしで つまんで

ぽいと すてる

はしの うえから

ぽいと なげる


きょうの まむしは

あしで ふんづけ

ぽいと すてる

あしの かわらに

えいと とばす


あすは ちゃわんむし

めしの おかずだ

ぽいと くちに

さじで すくって

さあ めしあがれ

 

 

 

むし暑い

 

 

 

歪にへちゃげて

心細いよ

真昼の比喩も

隙間風 ひゅーひゅー

けんだま お日様

とんちんかん ちんこんか

手力男命がこじ開けた岩戸

力道山 空手ちょっぷで

いきりたった崖 

空手形

みなおし過ぎても

たまには引いて

人目をひいて

ひいては 世のため 人のため

目と目があって 一目惚れ

おねえちゃん もう

ぼく 大きくなったよ

 

 

 

小箱

 

 

 

いつでも いっぱい

わいうえを


わっしょい わっしょい

おしくらまんじゅう


そのくせ どこから

さしすせそ


ひゅーひゅー ひゅーひゅー

すきまかぜ


どれみふぁそらしど

くちぶえ ふいて


しかたがないから

しをつけて


わからぬままに

ちりぬるをわか


うたわぬ うたも

はこのなか


だいじに しまって

たちつてと


はるか かなたの

なにぬねの

 

 

 

めくそはなくそ(画家対詩人)夏の論争~[秋まで待とう不如帰]

 

 

 

こんな広大な海を

そのちっこい目に閉じ込めて

そんなお粗末な脳みそで こちょこちょいじくって

安物のキャンバスに安物の絵具を擦り付けちゃって

芸術でござい~ですって 笑っちゃうわね まったく


なんだって 言ってくれるじゃないか

こんな蒸し暑い日に 部屋の中で冷房つけて

四角四面の窓枠から 

方向音痴の斑猫が 野良犬に嘘の道を教えているのを見つけて

万物がそうだってな 馬鹿げた妄想にふけって

この日進月歩の時代に いまだに「文字」などという

古めかしいメディアに頼って

それが 芸術でござい~だって ふざけんじゃねえよ 


ああ いやだ いやだ   ほんとに いやだわ 

芸術の旬は秋だな   やっぱそうかしら

 

 

 

スランプじゃない

 

 

 

あなたは スランプなんかじゃ けっしてないわ

 

励ましてくれて有難う

 

スランプは一時的なもの 脱出できないなんてことないわ

 

ほんとに 有難う 信じていてくれてるんだね 君だけは

 

あなたの場合には スランプという言葉は使えないのよね

 

・・・・???

 

暴落しても株価はもどるわ

でもね あなたのおかぶはどうかしら

 

ヌヌ・・それでスランプじゃないっていうの?!

 

 

 

まうさくら

 

 

 


さくらちる

ちるちる みちる

しおみちる

かえる みちみち

ひがくれて

みちのめじるし

おしめがい

がいろじゅ

がいじん

かいとうるぱん

ぱんぱん ぱんぱん

ぱんのみ あらず

やまとなでしこ

いまこそ さくら

ちってもちっても

やまとはさくら

ちるちるさくら

まうさくら

 

 

 

玉手箱

 

 

 


なんで君に皺があり

なんで君には孫がある

なんで僕に髪が無く

なんで僕には金も無い

美貌も知恵も優しさも

何でも持ってた君だった

今も持ってる 幸せいっぱい

それに引きかえ 僕はというと

だけど 持ってた夢だけは

そして ようやく話ができた

君と楽しい話ができた

淡い初恋 夢の人

遠い昔が 今 ここにある

 

 

 

 

 

 

すべては無にして無且つ無にして無にすぎぬ

 

無は夢に通ずることは自明の理である

 

生物即ち無生物

 

無生物即ち不動

 

不動即ち動

 

動即ち静

 

静は星に通ずる

 

むむむ・・お主できるな

 

やっとお解りか

 

そう 動く必要は無い

 

眠りこくって夢を見ていれば

 

地球に限らず何処にでも飛行できる

 

レポートは出来るだけいい加減に書こう

 

その方が採点する側も楽しめるというもの

 

きっと宇宙人もそうしているんだ

 

未だ地球に攻めてこないところをみるとな

 

 

 

ひとしじま

 

 

 

灰色の 喧騒に

ぽつりと空いた

ひとしじま


瞑った瞼に水面の轍


車の轟音 余韻の中に

遠く聳える 蛙の館


昔俺等は蒼蛙 アオゲロ アオゲコ アオゲエル

今じゃ落ちぶれ赤蛙 アカゲコ アカゲロ アキャゲエロ

きっといつかは疣蛙 イボエボ エボイボ イボピョンビョン


錦絵 浮世絵 遠い夢

どうせ消え去る闇蛙 ゲコゲロピョンビョン ゲコビョンビョン

 

 

 

ただ詩を書こうと思ってだけ詩を書くと

 

 

 

どうなる

こうなる

さて さて さて さて

どうにでも


どうでもいいけど どうにでも


詩って いって いわれても

詩って いわれる いわれがなくて


なんじゃらほい

よい よい よいの よかないよ


まあよい まあよい まあ よいではないか


ま~よいながらも

とおりゃんせ とおりゃんせ

 

 

 

妻を待つ

 

 

 

かの妻を待つのか
雪崩だな
しかし
妻を待つ
昔の妻を待つのしか無
聖子を恋せ
照る照る照る手
神田正輝は貴様だんか
そうや 嘘
子供 どこ
さやかや さ 



 

 

 


この詩はね、一度、ひらがなにもどす作業がいるの。わかる、モエちゃん。


 

 


かのつまをまつのか
なだれだな
しかし
つまをまつ
むかしのつまをまつのしかむ
せいこをこいせ
てるてるてるて
かんだまさきはきさまだんか
そうやうそ
こどもどこ
さやかやさ

 

 

第五次募集

 

 

 

大学ご入学おめでとうございます

これは これは 大宰府天満宮の元祖天神様
おかげさまで お馬鹿な娘も 合格できました
本当に有難うございます

いえいえ、こちらこそ・・あれだけお賽銭を戴ければ
・・神主さんもほくほく顔でしたぞ
ところで これから 中洲で祝いですかな

そうでございます もしお良ろしければ 天神様も・・

いえ 僕には まだ 第五次募集の受験生が残っているもので
酒・・と言うわけには

そうですか 残念ですねえ
少子化の波をかぶって大学も大変ですが 
そのぶん やたら 手続き面が・・天神様も結構ご面倒ですねえ

そうなんですよ 昔は 数は多かったけど 
早く片付いていたもので
今の時期にはもう・・
でも、最近では鶯までもルーズになっちゃって

九州博多でチャンポン食べて 焼酎のお湯割
娘の酌で一杯やるのも また おつなものでございますよ

いいですなー 残念ですが では また 今度


上記文章にある回文を解答欄に記入せよ
但し 漢字を含んでいる場合には 全てひらがなに直して記入すること

解答欄 □□□□□□□□□□□


ついでに 解答  なかすでいわいですかな(題名を含んで8行目後段) 

(注)中洲・・なかす と読む   
夜でも明るくて すすきのに負けないくらいお姉ちゃんが綺麗

 

 

 

チンプンカンプン

 

 

 

 

チンプンカンプン

 

トンチンカンチン

チンコンカ

チンコンカンコン

カンコンソウサイ

ソウサイイカレテ

インカイコッカイ

カクセイコカイン

インカムゲイン

ケッコウイケテル

テルテルポーズ

アシタテイデン

オヤスミヤサイ

 

 

 

口笛

 

 

 

湖畔

 

薄紫の静謐

 

口笛に 目を瞑り 酔いしれる

 

風があわせる 歌声

 

漣に漂う 花びらが

 

君が

 

ころころと笑っている

 

 

なんで こんな所にいるんだい

 

僕が また 停学になったこと 知ってるんだね

 

えっ 停学 君も?

 

その長い髪が原因?

 

そうだったの いままで 君は毎晩 髪を黒く染めていたのか

 

染めなくなったために 停学処分??

 

 

艶々とした美しい髪が

 

藤の花が

 

セクシーに

 

風に揺れている

 

 

 

ふぁがぬへた

 

 

 

 

まえふぁが ぬへた ふぁが ぬへた

ふぁぬけの ふぁなしは ひとまえじゃ

ふぁふぁふぁ ふぁれんち まぬへだわ

ふぁがない ふぁなしは ふぁしたない

あした ないなら いいのにな

ふぁなし しなふて いいなら いいのに

 

 

 

さんかくしかく

 

 

 

参画 死角

又来て 詩かく

詩人 新人

風流人

△   □

又来て ■

 

 

 

きせいちゅう

 

 

 

おおぼけ こぼけで 日がくれて

踊るあほうに 見るあほう

♪ え~らいやっちゃ え~らいやっちゃ よいよいよいよい ♪

同じあほでも 踊りはへたくそ

カラスといっしょに 帰らんかい

あほう あほうと からすは鳴くの

あほう 寝てろと 鳴くんだよ

 

 

 

ゆでたまご

 

 

 

せっかく ほかほか

ゆでたまご

まごまご してると

さめちゃうぞ


まごのて かりたい

このじきに

まごに てとられて

ゆでたまご


まご まご はやく

ふろ はいれ


ふろで つくった

ゆでた まご

 

 

 

ゆでたまご

 

 

 

せっかく ほかほか

ゆでたまご

まごまご してると

さめちゃうぞ


まごのて かりたい

このじきに

まごに てとられて

ゆでたまご


まご まご はやく

ふろ はいれ


ふろで つくった

ゆでた まご

 

 

 

ショパン

 

 

 

耳なのか 音なのか

目でもなく 光でもない

いま 僕は

鼻でも 匂いでもないらしい

舌でも 味でもないようだ

それはそうと

みょうに きみの 膚が恋しい

 

 

 

草木男女去

 

 

 

ソウなんだ 草ることなど なにもないんだ

だれも ボクのことなど 木にしてやしない

男らしく けんめいに この ダンだんばたけを

ジョさいなく たがやしたら いつもと女じように

キョろ きょろせずに サっさと ここを たち去ろう

 

 

 

ひとさじ違い

 

 

 

山車だ 囃しだ お祭り わっしょい

かつお こんぶに いりこだし

しいたけ 本場の かくしあじ

仕出し屋じこみだ さすがは違う 

あじなまねする 的屋のあじも

ひとさじ違いが 大違い

しょっぱい しょっぱい 屋台だ わっしょい

もとは仕出し屋 見習い小僧

半端でやめたが 運のつき

しっぱい しっぱい 的屋の商売

山車だ 囃しだ 屋台は しょっぱい

しょっぱい しょっぱい 屋台だ わっしょい

 

 

 

誤訳

 

 

 

詩は偉大なり

吾ら性のただ中に在りて 思うとき

詩は吾らのただ中に在りて 涙ながしつつあり

 

 

 

今だ

 

 

 

木枯らしが

冬桜の緑葉を吹き落とす

花びらが舞い上がる

全ては昇華して透明な渦となる

充血した夕陽が薄氷を割ってゆく

疾風迅雷 進撃は今だ

君の乳房を感じながら

僕は 今 突っ走る

 

 

 

もしかしたら

 

 

 

もしかしたら 

君は

もう 

いないのかもしれない


とたんに


山茶花は とびちり

街は

瓦礫と 化した


ただ 僕は


木枯らしの中を

黒い波に向かって

歩いていた

 

 

 

夢の終着駅(車掌に罪キセル)

 

 

 

 

 

乗車券を拝見いたします
はい はい はい
はい どうぞ
毎度ありがと・・ はい
お客さん もし もし
お休みのところ申し訳ありませんが
もし お客さ

こりゃ 気安く体に触れるんじゃねえよ!!
せっかくいい夢見てたのにどうしてくれるんだ
いい女だったのに

どうも どうも 申し訳ありません
乗車券を・・仕事なものですから

なに!? 乗車券だと?
びっくりして目を覚ました拍子に 夢の中に落としちまったじゃないか
みんな夢の中だ そう 乗車券もだ

お客さん ご冗談を・・

なに!? 冗談だと!! 俺が無賃乗車をしてるとでも言っているのか!!

お客さん いい加減にしてくださいよ 下てに出てれば調子に乗っちゃって

嘘じゃない いい女だった 夢の中の女 ホントだ
あ!! あそこ あそこに座ってる女が夢の中の女だ

なんですって あの上品なお嬢さんが?

俺を追って夢の中からやってきたに違いない
聞いてみろ 俺の切符も持って来たかもしれないぞ

・ ・・・・・・????
あのう 失礼ですがお嬢さん そのう・・

車掌さん ここどこの駅かしら?

ここ中野かな ここ    ここなかのかなここ
そう? うそ       そう?うそ

車掌さん そんな遊びしてる場合じゃないでしょう
切符でしょ? はいどうぞ もう一枚はあそこの禿げたおじさんのよ
夢の中で落としていっちゃたから わたし、もってきてあげたの

えぇ~っ ホントに 

驚いていないでよく切符見てよ 中野駅までよ
車掌さんのおかげで乗り越しちゃったじゃないの
変な遊びしてるから

お客様 どうも どうも 申し訳・・
どうか 次の駅ででもお乗換えください

だめよ わたし これから夢の国へ帰るんだもの
禿げたおじさんと二人っきりでね

どうぞ どうぞ お好きなように ほんとに ほんとに
ほんとに 車掌なんてやってられねぇよ 
俺 寝ぼけてんのか・・
どうも どうも おじゃましましたね
ほんとに ほんとに ぶつぶつぶつ

センセ 危なかったわね
終着駅の大学前まで乗っちゃいましょ
二人っとも定期券持ってんだものね

君はいつも可愛いなあ 単位の心配はいらないよ
じゃあ お休み 僕にすがって 
終着駅はまだ遠いから

 

 

 

40になったら僕は

 

 

 

40になったら

中学生くらいの子供いるかな あいつに生ますの? そんなこと言ったらペッチンされちゃうよな


40になったら

こりゃだめだ 入れそうな大学なんて数えるほどしかねえや でもいいか 義務教育じゃないもんな


40になったら

そりゃ ハーフでも奇跡だな まっ、新しいクラブでも買って頑張ってみるか


40になったら

やっぱ 手放すしかねえか A建設みたいになっちゃ元もこもねえものな

 

 

 

もしからしたら

 

 

 

どうしよう

もしからしたら

だいじな うえき


もしかしたら

まつくいむしが


どうしよう

もしからしたき

もしかくしたら


もしかしたら

しかられるかしら

 

 

 

赤いまゆつばぼけ帽子かぶりて走るリレーかな

 

 

 

照る照るぼうず 微笑みぬ 萌えし山

山萌えて 季語をからかい 運動会

運動会 孫でもよいこが 走りおり

走りおる 転びても 走りおる 今

今 砂けむり テープ間近に 旗靡く

旗靡く 白へ 白へと 武運なく

武運なく 健闘虚し 6連敗

 

 

駅前絵巻絵

 

 

 

 

恋いたしました いい子

 

花のその名は 小池慧子

 

渡しましたわ ラブレター

 

電話は 父母の留守にする

 

薬のリスク 知ってても

 

飲むのよ飲むの 止められない

 

恋の病か 不眠症

 

妬いてんな なんて嫌

 

駅前 絵馬消え 花粉症

 

 

 

 

 

 

       解説

 

 

 

えきまええまきえ

 

 

こいいたしましたいいこ

 

はなのそのなは こいけけいこ

 

わたしましたわ らぶれたー

 

でんわは ふぼの るすにする

 

くすりのりすく しってても

 

のむのよのむの  やめられない

 

こいのやまいか ふみんしょう

 

やいてんななんていや

 

えきまええまきえ かふんしょう

 

 

 

夢遙か

 

 

 

駆け馬に鞭 

 

鞭うって

 

荒れ野を

 

 駆けて 

 

落馬して

 

のたうち回った 

 

嘶いた

 

馬はあったが 

 

つきが無く

 

蹄の跡を 

 

数えれば

 

捕らぬ狸の 

 

皮の数

 

枯れ野を巡る

 

 夢醒めず

 

塞翁が馬の 

 

あとを追う

 

 

 

にかいぶん

 

 

 

 

(1)再会さ

 

 

祝いわいわい

 

食いに行く

 

たんびにビンタ

 

イラクで食らい

 

イラクで暗い

 

再会さ

 

 

 

 

 

(2)魚はこの中さ

 

 

 

魚の子は 中さ

 

魚 箱の中さ

 

イクラ食い

 

鮭も 今朝

 

食べた

 

 

 

 

 

(訳1)さいかいさ

 

 

いわい わいわい

 

くいに いく

 

たんびに びんた

 

いらくで くらい

 

いらくで くらい

 

さいかいさ

 

 

 

 

(訳2)さかなは このなかさ

 

 

 

さかなのこは なかさ

 

さかな はこのなかさ

 

いくらくい

 

さけも けさ

 

たべた

 

 

2003.1.22

 

 

 ()お母な 感じんか (なん)かを

 

 



旦那様の血 飲まさなんだ

ちんぷんかんぷん血

旦那がなんだ

お母な 飲むの 何かを

今朝の酒

何か お母な

かの河豚(ふく)も 食ふのか

河豚(ふく)刺しさ 食ふ

嘘ん卵巣

慈愛より  引導渡した

足したわ うどん入り 良い味

鱚(きす)も好き

意外や意外

いい値段だね  いい

何でもでんな

やい会計 警戒や

まさか いかさま

ここ 詐欺さ  ここ

 

 

 

花粉症

 

 

 

 

花見月 花見過ぎたる 後悔に

 

花見好き 拭いも切れず ただ涙

 

花水木 傷みな葉 より 赤きかな

 

鼻水気にして 葉見る 晩秋

 

 

 

冬景色二題

 

 

 

 

(一)そりゃそうだ

 

 

お空 あおあお

 

お日さま にこにこ

 

わた雲 ぷかぷか で

 

からっかぜ ピープー

 

んで

 

わたし ぼうや抱っこして ぶるぶる

 

 

実も葉もない 枯れ木だけが

 

“俺には 何も 怖いものなんかないぞ!!”って

 

裸で 胸はって いばった 顔

 

“そりゃそうでしょうよ” なんて言っちゃったら

 

実も蓋もないかしらね

 

 

 

(二)お向いさん

 

 

帰ってこない動物たち か

 

ピンクの手袋に つばつけて ページめくってる

 

あくび はな むぎゅむぎゅ くっっしゅん

 

となりの おっさん 絵本のぞくなよ

 

おおきな ほくろ  らんどせる

 

よいしょっと ・・・つぎ 停車します

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